環境関連

代替燃料総論 代替燃料検討の観点

  一次エネルギーの供給構成の推移を見ると、石油ショックを機会に石油への依存体質からの脱却傾向が認められます。天然ガスと原子力は、国策もありコンスタントな増加傾向が見られます。ただし、石炭、水力・地熱・新エネルギーはほぼ横這いです。

  自動車用燃料としての利用を考えた場合、どのような燃料であれ、燃料供給体制、供給量の確保、可搬性、低価格、安全性、エンジンへの適応性、車両価格などの条件が十分に整っている必要があります。これらの条件についての満足度の順に利用者は選択肢を変えていく、ということを十分考慮しておかなければ、新しい燃料の利用増は難しいと考えられます。

代替燃料総論 代替燃料の必要性

  現在、地球温暖化、酸性雨など地球規模での環境問題が発生しているとともに、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、CO(一酸化炭素)、黒煙等の粒子状物質(PM)による大気汚染は深刻な状況を迎えており、こうした環境汚染物質低減の社会的要請は高まる一方です。燃料の面からも環境負荷の少ないものが求められています。

  石油系の自動車燃料としては、ガソリン、軽油およびLPGがあります。我が国の運輸部門は最終エネルギーの約23%を消費し、かつ、その約98%を石油に依存しています。石油の埋蔵量と可採年数は地域により大きな偏りがあり、また可採年数は約40年と考えられています。エネルギー源を多様化し極端な石油依存構造を安定化させることは、我が国の大きな課題となっています。