環境関連

天然ガスとは

天然ガスは、油田地帯、ガス田地帯から産出するメタンを主成分とする無色透明の可燃性ガスです。

 地殻にガス単独で貯えられているものを構造性ガス(ガス田ガス)、原油と共存しているものを油田ガス、地下水に溶解しているものを水溶性ガスと呼びます。

  天然ガスは、古代の動植物が土中に堆積して生成されたものと一般的に考えられていますが、最近、地球誕生時に地殻の内部に進入した炭化水素などが変化してできた天然ガスが存在するという「地球深層ガス説」や世界の12の海溝にシャーベット状のメタン(メタンハイドレート)が存在するとの調査結果が発表され、天然ガスは、これまで予想されていたものより広い範囲に大量に埋蔵されていると考えられるようになりました。

  天然ガスは、石油のように中東に偏ることなく世界各地から産出され、その可採年数は石油に比して19年ほど長く、将来の埋蔵量は現時の3倍程度と予測されています。これは供給の安定性が高いことを意味します。

  日本においても、新潟県、千葉県、北海道などの一部で天然ガスが産出されますが、その生産量は年間20億・程度と極めて少ないものです。大部分は海外から、マイナス162℃の超低温に冷却して液化し硫黄分などの不純物が除かれた液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)として輸入されています。

  天然ガスからは合成軽油、DME(ジメチルエーテル)などの種々の燃料への転換が可能で、その研究開発も進んでいます。天然ガスからメタノール(CH3OH)、DME(CH3och3)、合成液体燃料(GTL:Gas

  to Liquids)が製造可能です。また、定置式燃料電池コジェネレーションシステムの燃料として天然ガスを利用する研究も進められています。天然ガスは石油代替の一次エネルギーとしての資質を十分にもつ有望なエネルギーといえます。

  都市ガスとして供給される天然ガスは、熱量、燃焼性の調整、漏れた場合に速やかに知覚できるように付臭を行ったもので、都市ガスの種類としては一般的に12A、13Aのガスです。天然ガスは、現在の都市ガス原料の約80%を占めています。