環境関連

圧縮天然ガス自動車(CNG自動車)の特徴

(1) 排気ガス特性

  ディーゼル代替としてのCNGトラックの排気ガスは、一例としてディーゼルトラック(平成6年規制)に比べ、黒煙(PM)および硫黄酸化物(SOx)がほぼ100%、窒素酸化物(NOx)が約80%、一酸化炭素(CO)が約90%、炭化水素(HC)が約50%低減されます。熱効率の向上のために直接噴射方式の場合には、混合気の不均一化により予混合方式に比べNOx排出量が増大するので、二段噴射によるNOx排出量の低減の試みも行われています。

  地球温暖化物質の二酸化炭素(CO2)の排出量は、天然ガスの単位エネルギー当たりの炭素(C)が少ないため、ガソリン車に比べて約20%以上も低減します。

  (2) 燃料容器

  CNG車では高圧容器が必要なため、その軽量化が車両燃費低減の大きな課題です。FRP容器やコンポジット容器等の軽量容器が研究開発されています。

  (3) 走行性能

  走行性能や燃費はガソリン車はディーゼル車に比べてほとんど変わりません。またオクタン価がガソリン等よりも高いので(メタンのオクタン価は130程度)、エンジンの圧縮比を上げて効率を高めることも可能です。

  気体燃料であるため、冬場等でもエンジンスタートがスムーズです。

  もっとも、燃料が気体であるため、一充填当たりの走行距離がガソリン車やディーゼル車に比べると短くなります(現在約200・)。軽量容器の開発と相俟って最近では容器の搭載本数を増やす試みもされています。

  (4) 安全性

  燃料配管系には、ステンレス鋼製管等の剛性の強いものを使用するとともに、衝突の際に直接損傷することのない位置に配置されています。

  火災時には、ガス容器元弁の安全弁が作動し、ガスは大気中に放出され、圧力上昇によるガス容器破裂等はありません。放出されたガスは、噴出速度が速いため大部分が着火せず、かつ空気よりも軽いため滞留することなく、上空に拡散します。