環境関連

LPGとは

LPGとは、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)のことですが、LPGは現在二系統の供給源があります。一つは、文字通り石油精製過程から生産されるもので、二つめは天然ガスのガス精製から生産されるものです。LPGの調査会社(Purvin & Gerts社)の報告によりますと、1997年現在の世界のLPG生産量は1.8億トンで、そのうち61%にあたる1.1億トンがガス精製過程から供給されているそうです。このことからすれば、LPGはポスト石油として広く利用されることの可能な代替燃料といえます。ただし、現時点ではLPGのほとんどが中東地域からの輸入に依存しています。

  LPGは、無色・無臭の気体です。(もっとも安全性のために付臭してあります。)

  LPGには、いろいろな種類があります。家庭で使われているLPGは、ほとんどがプロパンと呼ばれる成分です。プラスティックのライターの中に入っている液体はブタンと呼ばれる成分でLPGの一種です。自動車燃料用LPGは、例えば関東ではブタンとプロパンが80:20の割合で、冬場に燃料の蒸気圧の関係から70:30として用いられています。

  CNG(圧縮天然ガス)はメタンが主成分で、LPGはプロパンとブタンの混合物であるため、容器に貯蔵するときの圧力も異なり、CNGは200気圧であるのに対し、LPGは8気圧前後となります。常温でも低い圧力で液化するため可搬性に富んでいます。液体になると体積は250分の1になります。

  LPGは空気より重く、空気の1.5倍の重さを持つ気体です。

LPGと地球温暖化

  地球温暖化ガス(CO2、CH4、N2Oなど)の排出は、燃焼による直接排出と、生産・運輸・漏洩・蒸発などの間接排出の観点から考察することができます。

  まず、直接排出について見てみますと、燃焼による地球温暖化ガスの排出量は、燃料の炭素割合に依存しますが、水素割合が高い軽質燃料のLPGはCNGに次いでその排出量が少ないといえます。

  次に、間接排出について見てみます。LPGは、比較的容易に分離精製できます。また、LPGはタンクに貯蔵されることから漏洩や蒸発がほとんどありませんので、間接排出量もガソリンや軽油に比べて低いといえます。

  これからのことから、LPGは地球温暖化ガスの排出量が少なく、環境負荷の小さい燃料といえます。