環境関連

火花点火LPGエンジンの研究開発

LPG自動車の構造は、基本的にはガソリン車と同様です。エンジンをLPG向けに改造、燃料タンクをLPG燃料タンクに変更してあるだけです。

  既存の火花点火LPGエンジンは、現在第三世代まで進んでいます。

  第一世代はLPG気化装置システムであり、キャブレタ式ともいわれます。

  第二世代は、電子制御式LPG気化装置システムであり、排気ガスの規制強化に伴って電子制御による空燃比制御が必要となりました。現在、一般的にLPG自動車に採用されているシステムです。

  第三世代は、電子制御式LPG噴射システムであり、空燃比のきめ細かな制御、充填効率や燃費の向上のために、燃料噴射システムが順次採用されつつあります。

  ヨーロッパでは、この噴射システムを利用してガソリンでもLPGでも切り替えて使用できるバイフューエル方式も一般的となっています。このシステムはメーカの標準仕様としても用意されており、また専門メーカによる改造も容易に行えます。

  LPGの電子制御から、ガス状の噴射にとどまらず液状での噴射まで利用しているオランダのVialle社の例もあります。日本においては、1999年9月に高圧ガス取締法の規制緩和で、自動車用の場合のLPGの液状噴射が可能となりました。その結果、Vialle社のシステム(LPiシステム)搭載の車両も日本に導入されています。液状での噴射は、ガス(気体)のまま空気と混合させて噴射するよりも、吸入空気の温度を下げることができるため、より多くの空気をシリンダーに取り込むことができ、ガソリン噴射とほぼ同等の出力を得られるようになります。