環境関連

NKKがDME自動車の公道走行試験を開始

NKKは2002年2月27日、DMEを燃料とした自動車で国土交通大臣の試験自動車認定を取得し、日本国内で初めて公道走行試運転を開始した、と発表。20日に認定を取得、22日に陸運支局で正式にナンバープレートの交付を受けたもの。今後、京浜地区の幹線道路を中心に公道走行試験を繰り返し、2006年度中の実用化を目指して研究開発を継続する。同社では、ディーゼル自動車の排気ガス問題が大きくクローズアップされていることに対応して早くからDMEの研究開発に取り組み、1998年には世界ではじめて同自動車の実車走行テストに成功している。今回の公道走行試験開始はそれに続くもので、2トンディーゼルトラックの燃料供給システム、噴射ノズル、燃料タンクなどを自社で改造した実車を国道や県道などといった一般の道路で走らせ、実証試験を行うもの。ディーゼルエンジン本体の改造は不要で、燃料タンクにはLGP 用のものを利用した。

半明正之社長の話=「DME自動車は96 年から研究を続け、黒煙、SOxともにまったく発生させず、NOxも40%程度削減できるなど将来のクリーンエネルギーとして実用化する可能性がきわめて高い。市販のディーゼル車を改造してすぐに使用することができ、既存インフラをある程度利用できるのも大きな特徴。今後は軽油車との違いをPR し、DMEの利用拡大に全力を尽くしていきたい」

これまでの構内走行テストでは、一般的なディーゼル13モード運転で黒煙(スス)と硫黄酸化物(SOx)の発生がゼロ。窒素酸化物(NOx)発生は軽油燃料のディーゼル車に比べて約四割減と大幅な低減率を達成しているほか、PM排出も、2005年からの新長期規制値(排出量が1kw 時当たり0.09 グラム)を7割下回った。一方、燃費は従来のディーゼル車と同じレベルを保っている。同社は今後一年間、川崎市などで実施する公道走行試験結果のデータを国交省や自動車メーカーに提供することで、DME燃料のバス・大型トラックの開発や改造にも役立ててもらう方針だ。NKK が進めるDMEの燃料化事業については、2006年をめどに本格化を目指している。